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2005.07.12

クロダイ釣りはコワイ(第3話)

エピソード3:

もうずいぶんと昔(20数年前)のことだけど、昨日のことの様に鮮やかに覚えている...

その日、内房の浜金谷駅で降りて釣具屋さんでエサを買うと、きょうは荒れていて危ないから堤防の先端には出ない方がいいと言われました.
堤防に行くと…なるほど、堤防を時々波が洗う位荒れていて、誰も釣りをやっていないし危険だからと思い、フェリー港へ.

フェリーの灯台の所へ行き、内側に向かって釣りをすることにした.本当に荒れていて、釣り師は誰もいない.
荒れているからクロダイ向きだし、人はいないし、これはのんびりと出来るわい!と喜んで支度し、コマセを打ち、仕掛けを投入.
この時、賢明な人ならば釣りを止めて帰宅していたと思う.荒れているなんてもんぢゃなかったので...

実は電車の中ですでにある兆候が現れていたのに、それが何なのか自分では気がつかずにいた.賢明な人ならばこの時点で釣りを止めて家に帰っていたと思う.

ウキをつけて仕掛けを投入したものの、風が強くて…魚が掛かってもいないのに竿が弓なりになってしまう.それで、別の竿を出してセットしてやり直した.
風は益々強くなる.何となく振り返って沖の方を見ると…な・なんと、10m以上の波が押し寄せてくるぢゃ~、あ~りませんか!

ヤバイッ!

竿やらコマセのバケツやら何やら、とにかく荷物全部を両手に持って帰ろうとすると...唖然!

いつもは岩だけで水なんか無いところで、ドッカーン・ドッカーンとすごい波が沖からフェリー港の内側に向けて打ち上げている.
通り道の細い堤防はその波をもろにかぶってというか、堤防を洗い流しながら通り越している.
とにかく戻らなくっちゃ...
波に打たれても大丈夫な様に、堤防の右端(沖側)を歩くことにした.
いつもなら、波を見て、波を数えて…とやっていたことを、この時にはす~っかり忘れてしまって…「とにかく戻らなくっちゃ」しか頭になかった.

それで、足早に戻りかけて…あと数メートル位(?)で陸に帰れるのに、そこが一番波がかぶっているのを見て一瞬躊躇.
でも、とにかく戻らなくっちゃ、と思って歩き始めると、横なぶりの大きい波が来て左端まで身体が持って行かれて、仰向けになって背中が堤防の端に!
腰から下は宙に浮いて海に落ちかけた.

         ○     
      /      __○
  /■     /■
/           /

一瞬、あ・死んだ!と思った.

両手の荷物は竿袋だけを残して全部海へ...

ラッキーだったのは、大きい波が続かなかったこと.
なんとか堤防をはいずり上がった.

でも、相変わらずあと少しのところで波がかぶっているので、しょうがなくまた灯台まで戻った.
そのころはまだ灯台にのぼるハシゴ(?)というのか足場になるものは何もついていなかったのに...どうやって登ったのか自分でも覚えていないんだけど、気がつくと灯台の上にいた.

陸の方を見ると…パトカーに救急車にギャラリーがどっさりとこっちを見ていた.

は・恥ズカシッ!

でもそんなことを思っている場合ぢゃあない!
あたりは段々と薄暗くなって来て...竿袋を見ると、コマセ用のヒシャクが入っていて、緑色で少し明るく見えるので、それを振って「オーイ!助けてー!」

は・恥ズカシッ!

でももうそれどころぢゃあない!
もう心臓はドキドキドキドキ.
対岸を見ると、そこにも何人か心配そうにこっちを見ている.
で、対岸に向かってヒシャクを振って「オーイ!助けて~!」

そのころはまだタバコを吸っていたので(ロン・ピーを1日3箱も吸っていた)、タバコが吸いたくなってポケットからタバコを取り出し、びしょびしょに濡れたタバコをくわえてライターをつけた.
タバコは濡れてしまっているので、火がつく筈もないのにライターをカチッ・カチッ...すると、灯台の上まで波が襲いかかって来て、ライターもつかなくなってしまった.
で、またヒシャクを振って「オーイ!助けて~!」・・・

そうだ毎年、年始めに買っていた神宮館の占いの本に、「危ない時などには生まれ年の本尊の真言を三度唱えるといい」みたいなことが確か書いてあったぞ.
こんな時のために真言も覚えていた.阿弥陀如来:「オン・アミリタ・テイゼイ・カラ・ウン」
三度唱えて、もう釣りを止めますから~、助けてください!

そうしたら、地元の漁師さんが自分の身体をロープで縛り、波を数えながら電信柱のところまで走り、柱にロープをまきつけ、また波を数えながら電信柱一本ずつ、少しずつ近づいて来た.
ついにオイラの所までたどり着き、手を握ってくれて、波を数えながら走るぞ、と言って…それ、今だ!と電柱一本ずつ帰り、ついに助かりました.その手のあったかかったこと!
その人がおっしゃるには…堤防から落ちかけたのを見てくれた人がいて、通報してくれたそうで、発見があと1時間遅かったら助からなかったと言われました.

その日の天候はまさに「春一番」...「春一番」なんて言葉…綺麗すぎるぞ!
「ハルケーン」とか...
(^-^ )☆\(。。; シャレテルバヤイカ!

翌日の新聞を見ると、その日、その「春一番」のために全国で釣り人がたしか37人ほど亡くなったとのこと.
あやうく+1になるところでした.
亡くなった方のご冥福をお祈りいたします.

フェリー港ではお風呂までいただき、また、最初に通報して下さった方が自宅まで車で送って下さいました.
みなさん、その節はご迷惑をおかけしました.また、助けていただいてどうもありがとうございました.
ひとのこころのありがたさを身にしみて感じました.

ここで阿弥陀如来様にお詫びをしなければなりません.
あのとき、もう釣りを止めますから…助けて、と言っていながら、その一週間後にまた釣りに行ってしまった不届き者、イケナイ子チャンになってしまいました.
オイラの煩悩は除夜の鐘では突ききれない程あるのかも...

命あっての物種です.
みなさんは決してこんな無謀な釣りはなさいません様に.
(°O。)☆\(ーへー; シナイシナイ!

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